●では、

沼池
May 07
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  思ひあまり出でにし魂のあるならむ夜深く見えば魂結びせよ(『伊勢物語』一一〇段)
 ここでいう「魂結び」とは、着物の裾や草・枝などを結ぶことによって、魂を身体につなぎ止めようとする行為である。古代日本では、さまざまなタイプの魂結びがなされていたことが知られている。旅立ちにあたって無事の帰還を願って枝を結ぶ習慣も、その背景には同様の霊魂観があるものと推測される。
 魂鎮め・魂結びの儀式が、朝廷を超えて在地の民衆によっても広く行われていた背景には、肉体-魂の二元的な人間観と、魂の離脱に対する当時の人々の共通の危機意識が存在したのである。
— 佐藤弘夫『死者のゆくえ』 (via zuizi)